あらすじ
寂れた漁港・日無町で、父親や祖父と3人で暮らす男子中学生カイ。両親の離婚が原因で東京からこの町へ引っ越してきた彼は、両親に対し複雑な思いを抱えながらも口に出すことができず、鬱屈した日々を送っていた。
そんなある日、クラスメイトの国男と遊歩に誘われて人魚島を訪れたカイは、人魚の少女ルーと出会う。カイは天真爛漫なルーと一緒に過ごすうちに、少しずつ自分の気持を言えるようになっていく。しかし日無町では、古来より人魚は災いをもたらす存在とされており……。
感想
最初の方はルーの存在が明るみになり、人魚を悪者だと決めつけている人々や、人魚で町おこし・金儲けを企む人々など、人間の身勝手な所が見て取れるため、若干の嫌悪感を抱きました。でも私も人魚が居たら、好奇の目で観てしまうんだろうなとも思います。
最後の方、町周辺を海水の水かさが徐々に増していき、上の方へ逃げ遅れた人々が沢山立往生してしまいます。それを助ける為、人魚たちが力を合わせ海水を沖の方へ追いやってくれようとするのですが、夜明けと共に現れた太陽の日差しに焼かれてしまいます。それでも頑張っている人魚たちを見ていた人々が、船に沢山の傘をさして日光からルーや人魚たちを守るシーンがあり、とても感動的で泣ける展開でした!
また、人魚は人を食べない。人魚に噛まれたら人魚になることが分かった事で、今まで人魚を目の敵にしてきたカイのおじいさんも過去の記憶を思い返します。そして、船の上で人魚となった母親と再会を果たすこととなります。母親を亡くし色々な思いで生きてきたおじいさんが、泣きながら母親と再会する場面はなんとも言えないものがあり、胸にグッとくるシーンでした。