Midnight the Gathering

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僕なりの愛ですよ

四畳半タイムマシンブルース 読破

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原案: 上田誠 著者: 森見登美彦

あらすじ

水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。

概要

森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!

感想

”概要”にもあるように『サマータイムマシン・ブルース』という作品が元ネタとしてあるようだが、私はその作品を未だ鑑賞出来ていない為、どんな展開で、どんな類似点があるのか比較しようもない。しかし、『四畳半タイムマシン・ブルース』を読んでみた感じでは、何の違和感もなく、ただ私の知る”四畳半”の世界が広がっていました。

 

現在のニュースでは「クーラーをつけてください」と言われるほど、夏の暑さは激しさを増しています。こと”四畳半”世界における下鴨幽水荘では、1部屋を除き、全ての部屋にクーラーが無い状況である。そして、その限られた1台を占有出来たのが、物語の主人公である”私”なのだ。これは、絶対なにかある。ワクワクが募る始まりでした。

 

四畳半神話大系』では、無数に続く果ての無い”四畳半世界”を彷徨う”私”が、別の並行世界の”私”がいる事を示唆したように、この世界もその1つにあたるのだろうと推察される。この世界の”私”は、「京福電鉄研究会」なる妄想鉄道サークルに所属していた過去があったり、明石さんが監督を務める「幕末軟弱者列伝 サムライ・ウォーズ」を手伝っていたりする。聞くからに何とも楽し気な生活を送っているのだろう。そして、ほぼ全ての登場人物(樋口・羽貫・城ヶ崎・相島)とも親しい間柄になっているようだった。

 

そんな彼らを巻き込んで起こるタイムトラベルは、”私”にとって一癖も二癖もある大冒険になったようである。

 

サマータイムマシン・ブルース』から読み取れるように季節を感じるお話でした。そして、そんな夏の暑く清々しいイメージが、イラストとカラーリングでとてもぴったりな装丁になっていますね。

 

出来れば、『四畳半タイムマシン・ブルース』のアニメ化もしくは、映画化をお願いしたい。それが無理なら、単発のOVAでも良い。出来ればグッズ化も所望したい。因みにカドブンでは、[COMING SOON!]というタブがあり、「8月12日に何かが起こる」との記載がなされている。これは期待していいということなのだろうか。なんにしても楽しみである。

 

ビックル三十郎さんの記事を観て頂けると、より話の面白さが伝わって来ると思います。おススメです。

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